テレビのショー番組で、超能力者がスプーンを曲げる。また別の番組で、今度は手品師が帽子からハトを取りだす。非現実的なことをやってのける彼らに、見ている我々は知らず知らずのうちに明確な区別を行なっている。超能力者には「そんなことはない、どこかに仕掛けがあるはずだ」と思う一方、「信じられないことがこの世にはあるもんだ」などという気持ちも拭えない。しかし、手品師がどんなに非現実的なことをやろうと、手品はタネや仕掛けがあってあたりまえ。我々はそれを前提に芸を楽しんでいる。さて、君が帽子からハトを取りだそうとする。できっこない。そこで、考える。いかにすれば帽子からハトを取りだせるか。(正確にいえば、取りだしたように見せられるか) そう、物事はできないと考えると、そこでおしまい。どうすればできるだろうと考えれば、一歩前に進む。おわかりか!?
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